敷地は河内長野市の閑静な住宅地に位置します。周辺はUR団地の開発とともに整備された住宅街で、おしお幼稚園も昭和57年の開園以来、この地域とともに歩んできました。開園から長い年月が経過し、既存園舎は築35年以上となりました。雨漏りや屋根板金、外壁などの経年劣化が進み、園児の安全を確保するとともに、これから先30年を見据えて建物を維持していくためには、大規模な改修工事が必要な状況となっていました。本計画では、4棟の既存園舎を段階的に改修していくため、その第一歩として3歳児保育室を備えた「5号館」を新築しています。工事期間中も園舎を通常どおり使用しながら保育を継続する必要があるため、仮園舎を建設するのではなく、まず新築棟を整備し、その後、園児や保育室を順次移転しながら既存棟を改修していく計画としました。新築棟には、園庭を中心とした既存の園の魅力を損なわないこと、そして既存2号館との円滑な接続が求められました。そこで建物は、園庭にやさしく寄り添いながら既存園舎とも自然につながる、シンプルなL字型の配置としています。建物全体は、子どもたちにも親しみやすい切妻屋根の家型をモチーフとし、5つの家型を少しずつずらしながら構成しました。単調になりがちな建築にリズムを与えるとともに、園児にとってもスケール感のある親しみやすい風景を生み出しています。保育室は大きく園庭へ開き、深い縁側テラスによって内と外をゆるやかにつなぐ半屋外空間を設けました。また、建物は四方向へ視線が抜ける開放的な構成としており、実際の面積以上の広がりと心地よさを感じられる空間を実現しています。



















撮影/Yamada Keishiro