既存園舎の老朽化に伴う建て替え計画です。本計画では、育徳園が大切にしてきた「地面に広い園庭があること」を継承し、子どもたちが自由に活動できる豊かな屋外空間の創出を目指しました。敷地の東西に建物を配置し、中央に園庭を集約することで、従来の約320㎡から約400㎡へと拡張しました。また、園庭を建物の中心に据えることで、より多くの保育室が園庭に面し、子どもたちの活動を身近に感じられる構成としています。園庭は、建物に囲まれた落ち着きのある「中庭」、雨天時や日差しの強い日にも活動できる「ピロティ」、プールや菜園を楽しめる「屋上広場」という、性格の異なる3つの屋外空間で構成しています。これらをブリッジやスロープで立体的につなぎ、園庭を中心に回遊できる動線を計画しました。また、建物の随所に設けた小さなバルコニーや屋外空間が余白を生み出し、保育室はさまざまな方向に開かれた、視線や風の抜ける開放的な空間となっています。地面の園庭を大切にしながら、建築全体に多様な居場所をつくること。季節や時間の移ろいとともに変化する環境の中で、子どもたち一人ひとりが自分に合った居場所を見つけ、自由に過ごせる保育園を目指しました。
























撮影/Yamada Keishiro