大阪市住吉区、風光明媚な住宅地の中にある万代池のほとりに建つ万代幼稚園。今回その隣接地に、児童発達支援と「こども誰でも通園制度」に対応した保育室、そして幼稚園の保護者や地域の人々に開かれたカフェを併設するプロジェクトです。敷地の一方は既存幼稚園の園庭に面し、残る三方を道路に囲まれた、四方に対して開かれた立地となっています。この敷地の特徴を生かし、幼稚園とのつながりを大切にしながら、周辺の街に対しても緩やかに開かれた建築のあり方を考えました。3つの保育室は、個室や水回りなどの諸室を北側に集約し、子どもたちが過ごす空間を南側の園庭に向かって大きく開いています。同時に、東西の外部に対しても大きな開口部を設けることで、視線や光、風が建物を横断する、伸びやかで抜けのある空間をつくりました。園庭との連続性を保ちながら、建物の内外や周辺環境との関係が緩やかにつながる保育空間を目指しています。併設するカフェは、保育室とは異なる北側からのアプローチとし、地域の人々が幼稚園の活動を妨げることなく、気軽に立ち寄ることのできる動線計画としています。東側に配置したキッチンには外部に直接開く窓口を設け、店内利用だけでなく、街に向けたテイクアウトにも対応できるつくりとしました。子どもたちのための場所と、保護者や地域の人々が集う場所。それぞれが適度な距離を保ちながらも、建築を介して緩やかにつながり、幼稚園と地域との新たな接点となる場所を目指しています。